気合いの華
「なぁ、カズキってさぁ…」

「ん?」

俺の顔を見てくすりと笑った。

「噂と違って、可愛いんだな?」

「へ?」

俺の顔を見てさらに裕美さんは笑った。

「アンタ、結構モテんでしょ?」

「べ、別に全然!彼女とかだって居ないし?」

「ウチが彼女んなってあげようか?」

「えぇ!?」

俺の反応を見て腹を抱えて笑いだした。

「アハハ♪本当、噂と違いすぎ!!ミッキー二世とか誰が言い出したんだろ?」

「ミッキー二世!?」

「なんだ、知らないの?学校中の噂なのに。」

でもその時、ミッキーに近付けた気がしてちょっと嬉しかったりもした。

「ま、昔の川畑に勝てる気違いは居ないだろうけどね?」

「それは流石に怒るよ?」

「じょーだんだって!それより、さっきの相談の事なんだけどさ…」

「ミッキーを暴れさせて約束を裏切らせれば、江夏さんに火がつくって事でしょ!?」

「そう。江夏さんは先週鑑別から出てきたばっかだけど、やっぱり族の頭だけあって走る事には腐っちゃいないんだけどさ?最近昔みたいな凄味がないからウチらがナメられちゃってる訳なのよ…」

「それは自分で何とかしなきゃダメだよ?」

「ちょっ!約束が違ぇじゃん!!」

「俺は暴れても良いけど、ミッキーは約束は守る人だから、一緒には暴れてくんないと思うよ?」
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