気合いの華
お、俺が殴っちゃって良いのかな?

「カズキ、どっち殴る?」

「お、俺?んっと…」

「カズキ、俺だよな?」
「いや、俺を殴れよ?」

あ、そっか!冴島くんには殴られたくないだろうからね…

「じゃあルイを殴るよ!昨日の飲み物代もまだだしさ♪」

松戸くん殴るなんて怖くて出来ないしさ…

「サンキュー♪俺を殴ってくれたら絶対返すよ!」

「なら俺が松戸か…」

そう言って冴島くんはゆっくりと松戸くんに近付いて行った。

「歯ぁ食いしばんな?」

松戸くんは殴られる覚悟を決めて手を後ろに組んだ。

「さぁ行くぜ…」


バゴンッ!


「…っ!

へっちょれぇパンチだな?」

口から血を流しながら松戸くんは冴島くんに笑った。


「さ、カズキも本気で殴れよ?」

「本気?カズキ、ちょっとは手加減しろよ?」

そしたら松戸くんが血の唾を吐きながら
「いや、全力で殴れよ!?」

「う…うん!」

俺は構えてルイが殴られる準備をするのを待った…


「いいぜ?来い!」


「ふぅ…いくよ?」




バキッ!!



ゴツンッ!!


「…だ?大丈夫?」

俺が殴ったら勢いで後ろのベンチにつまずいて頭を打った!


「お、おいルイ!」

「き、気絶してんぞ?」
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