気合いの華
「んじゃ、アップしてくるから終わったらここ来るね？」

俺はそう言ってグラブを付けてまずパンチングボールから始めた…



「さ、お待たせ？暑くない？」

「大丈夫だよ♪」

「よし、じゃあ谷尾さんとスパーやってくるね？」

俺はリングに上がって谷尾さんを待った。

「彼女来てんなら手ぇ抜いてやろうか？」

「いや、本気で来て下さいよ？今の俺はかなりやる気ありますよ？」

「おう！良い眼してんな？んじゃいくぞ♪」

谷尾さんはステップを踏みながら間合いを詰めて来た。

一気に攻めていかないと…！

俺も間合いを詰めて左ジャブを出した。

「いつもよりキレが良いねぇ♪」

「油断してていんすか？」

俺は一気に接近戦に持ち込んだ。

やっぱりガードが上手いなぁ…

でも…！

バァン！！

「今のは綺麗に入ったな？」

ミッキーの技を盗んで、フックの時にスクリューを入れた。

谷尾さんも足を使って膝を狙って来た。

「くっ！」

俺は膝蹴りを入れて間合いを取った。

「やっぱやりますね？」

「見せ場は作ってやんねぇよ？」

「俺も本気でいきますよ？」

お互いに打ち合いになっていた。

今だ！！
相手のストレートにあわせてカウンターを入れた。

「ぐっ！！」

と同時に左足で上段蹴りが綺麗に耳に当たった。
< 210 / 332 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop