気合いの華
ストレート!!

ジャブの嵐の中で打ってきたそれを俺はカウンターで返した。

だが谷尾さんは読んでたらしく、顔の位置をずらしてきた。

今だ!!

ボゴッ!!

「ぐふっ…」

お互いに右手がクロスした状態で俺は右飛び膝蹴りを入れた。

今!!

バキッ…

ドドッ!!

俺は飛び膝蹴りを素早く引いて左アッパーを打ち込んだ。

「くっ…」

谷尾さんはロープに掴まって立ち上がった。

「強くなったなぁ。」

「ありがとうございます。」


ドサッ!!

「はぁ、はぁ…はぁ…」

「…」


「うっ…しゃ~~!!!」

俺は両腕を上に向けたら体が限界を迎えてそのまま後ろに倒れこんだ。

「ちょっ!カズキくん?」

「ごめん…タオル、に氷包んで…持って来て?」

俺はそのまま天井を向いたまま中川さんに頼んだ。

「これで良いの?」

中川さんはリングに上がって俺の所に駆け寄った。

「ありがと。それを…谷尾さんの、首に巻いてあげて?」

「へ?谷尾さんに?」

「うん。」

「カズキくんの分は?」

「俺は…後でやるから、大丈夫。」

中川さんが谷尾さんの方に向かって行くのが見えて…




俺はそのまま意識を失った。
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