気合いの華
「…誰すか?この人達?」

俺は田渕先輩を見た。

「が、学校の…友達。」

へ?学校の友達?
俺達には顔も見せなかったのに、違う友達と?

「よく遊んでんすか?」

俺は誰にでもなく3人に聞いた。

「あ、はい!自分達1年の頃からの仲なんで…」

俺は田渕先輩を見たが、ずっと下を向きっぱなしだ…

「牧野先輩と桜木先輩とルイは、田渕先輩が戻ったらミッキーに謝りに行くって言ってましたよ?」

「…」

「田渕先輩を仲間だと思ってるから待ってるんすよ?」

「…」

「みんな敢えて田渕先輩の名前は口に出さない様にしてみんながみんな傷付かない様にしてんすよ?」

「…」

「それでもまだみんなに会わずに黙ってんすか?」

「…」

「田渕先輩!!」

「…ごめん。ってみんなに、伝えといて、くれませんか?」

「…は?」

「カズキくんも…ごめん。」

「俺の口からは言えないっす!みんなには…みんなには自分の口で伝えて下さいよ?」

「…」

「牧野先輩とか桜木先輩といつも一緒にいたじゃないっすか?そんな人達を裏切れるんすか!?」

「…本当にごめん。」

俺はこの時、田渕先輩に失望させられた。
田渕先輩はもう…

「俺は…田渕先輩を待ってますから…」


そう言い残して、俺は中川さんを連れて歩き始めた。
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