気合いの華
「何かあったの?」

ゆっくり歩く俺を心配そうに見つている。

「仲間が…1人居なくなるかも…」

「そう、なの?」

「うん…」

俺は悔しくて仕方なかった。

「俺が原因かも…」

冷静に考えたら、この前の一件で追い討ちをかけてしまったのかも知れない。

「みんなにさっきの話ししないの?」

「うん…俺が今みんなに田渕先輩の話ししたら、それこそ最後みたいだしさ…」

「じゃあどうするの?」

「…なんとかするよ。」

「1人で?」

「出来ればね?」

「カズキくんってさぁ…」

「ん?なに?」

中川さんは俺の方を見て立ち止まった。

「もっと誰かを頼って良いと思うよ?」

ん~…

「田渕先輩の話しはみんなにはしない方が良いと思うんだよね…」

「そうかも知れないけどさ…この前の羽鳥くんの事だって、1人で抱え込んでたじゃん?たまには誰かに相談しなよ?」

俺は抱え込んでる事が多いのかな?
確か松戸くんにもこんな事言われた気がする…

「うん…そだね!相談する時あるかも知れないから、その時はよろしくね?」

「うん♪」


その後、俺は中川さんを家まで送ってから、いつものメニューをこなしながら少し気が楽になった感覚がしていた。

「今はトレーニングに集中しよ…」

俺は谷尾さんとのスパーを思い返しながらシャドーボクシングをした。
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