気合いの華

出発当日

早いもので、もう夏休みはすぐそこまで来ていた…

「それにしても間に合って良かったね?」

「あぁ、結局1週間も入院させられたからな!」

「タバコは貰えたの?」

「ほんのちょこ~っとだけ!!」

ガラッ!

「あ、おはよう♪今日は来たんだ?」

「もうそろそろ夏休みだねぇ♪」

中川さんと矢部さんはもう教室に来ていた。

「うん、おはよ!」

「暑ぃからずっと教室に居てぇな?」

「そいえば今日の何時に出るの?」

「昼頃って聞いたよ?」

「良いなぁ!友達の別荘に遊びに行くなんて♪」

「遊びっつーか喧嘩だろ?」

ちょっ!この2人の前で何て事言ってんだよ!?

「そうなの?」

ほら!食い付いて来ちゃったよ…

「違う違う!確か千葉県にあるんだよね?」

「あぁ、冴島くん所のヤクザ合宿所の事だろ?」

「はぁ!?」

2人はビックリした顔で俺を見る。

「2人ともルイの嘘なんかに引っ掛かっちゃダメだよ?そんな所俺達が行く訳ないじゃん♪」

「だ、だよね?」

「おい!嘘ついてんのカズキだかんな!!お前ら俺とカズキどっち信じてんだよ!?」

それを聞いて2人共顔を見あってから、俺の方を指差した。

「はは♪俺の勝ちみたいだよ?ルイ?」

「なんでそうなんだよ…」

ルイは椅子にふんぞり返って不機嫌そうに座った。
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