気合いの華
「反射神経良いっすね?」

「カズキくんこそやるじゃん!」

桜木先輩はそのまま俺と距離を詰めてきて、右足で脇腹を狙って来た。

俺は膝と肘でガードして、すぐさま右フックを打った。

バスッ!!

「かはぁ…」

そのまま左手で鳩尾にアッパーを入れた。

ドッ!!

「ゲフッ…ゴホ!!おぇ…」

桜木先輩は両膝をついて苦しそうに咳き込んだ。

「か、カズキくんは…強ぇな?」

そのまま桜木先輩は横になった。

「それに比べて…ゴホッゴホッ!!」

「桜木先輩だって強いっすよ?フックとアッパー喰らっても喋れるって事は、腹筋とか相当なモンっすよ!鍛えてんすか?」

「筋トレぐらいしかしてないけどね?」

桜木先輩は笑いながら
「こりゃ片岡先輩でも勝てなかった訳だ♪」

そう言いながら両手を使いながら立ち上がった。

「俺だってミッキーといるんすから?」

俺を見て桜木先輩がニッコリ笑ってから片岡先輩のいるベンチへと向かった。

「なぁカズキくん、あの2人いつからやってんの?」

へ?

桜木先輩の見てる先には、ルイと狭川先輩が…

「2人共ずいぶん前からやってるはずだよ?」

俺はやられてもやり返すルイと狭川先輩を見て、少しゾッとした。

「あの2人…タフっすね?会話もなくガチじゃないっすか!?」

「カズキくんも、その内わかる時がくるよ…」

「へ?どゆ事っすか?」

「負けを知ってる人と知らない人とでは、考え方が違うからね…」

ん~そんなもんなのかなぁ?
負けたくないって気持ちは、誰もが一緒なんじゃないかな?
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