気合いの華
「せやな…関東最強組織の1番の舞闘派集団がこうもあっさりやられてもうたら笑えへんわ?」

「んじゃ、そろそろこっちも…蹴りつけっか!」

そう言って冴島くんは相手に一気に間合いを詰めて行った。

そのままボクシングの構えで右ストレートを出すモーションに入った。

「全っ然遅いでぇ!!」

相手はその拳が振り抜かれるよりも速く左ローキックを入れた。

バキッ!!

「グッ…」

そのまま相手が冴島くんの肩を両手で掴んで、顔目掛けて頭突きを入れた。

「こ…んにゃろう!!」


ガンッ!!!


その瞬間に、冴島くんも顔目掛けて頭突きを入れてお互いに額を打ち付けあった。

「…っ!!」

ドドォ!!


「…」
「…」

2人は同時にぶっ倒れてしまった。

それを見ていたミッキーが2人に駆け寄った。

「お、おい!!冴島くん!何寝てんだよ!?起きろよ!!なぁ!?」

「…」

「…っち!」

ミッキーは仕方なく相討ちになった2人から背を向けた。

「とりあえず…俺達の勝ちだ…」

ドサァッ!

ミッキーはそう言いながら、ぶっ倒れて意識を失った。

誰も立っていないホールでは、さっきまでとは一変して静寂に包まれた。

その後カメラによって監視していた者達がすぐさま施設の病室へとみんなを連れていって、それぞれの手当てが施された。
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