気合いの華
俺の分をミッキーが渡してくれた。

「あざっす…」

俺は渡されたそれを握り締めた。

これで俺の悪い所がわかるのか…他のみんなの闘い方も参考にしたいなぁ…

ガラッ!!

「あ!ミッキーはん、カズキはん、起きとったんかい♪」

メガネを掛けたインテリ系のその人は、俺とミッキーに書類を渡してきた。

「これって…」

そこには銀行の講座の記入欄があって、その下の文章には、桁外れの金額と冴島組の構成、直系の組の名前や幹部の名前等が書かれてあった。

「せや、2人共検討したってーな?」

「検討って…」

「要は、金で俺らを釣ろうってんだろ?」

「ザックリゆーとそゆこってすわ♪」

でもこの金額って…10億なんじゃ…

「ま、時間はぎょーさんありまっから、2人で話し合って」
「断る!」

へ?

「俺もカズキも金の為に喧嘩してんじゃねぇんだ!よく考えてから物言うんだな?」

そうだ!お金なんかに釣られてちゃダメだよね。

俺は黙って頷いた。

「ん~…ほな、書類だけでも取っといてぇな?」

「他のヤツらも受け取らねぇと思うぞ?」

そう言ってミッキーは、渡された紙をビリビリに引き裂いた。

「そうでっか…でも一応もう1枚あんねんけど、渡しといてもらえまへん?」

「へ?」

1枚?

「松戸 賢二たらゆー人にも頼んますわ?」

「他のみんなは?」

「みんな誘ってる訳とちゃいますよ♪」

そう言ってその人は、笑いながら出ていってしまった。
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