気合いの華
「でも羽鳥くん今年入って3回目じゃない?そんなに痛い思いばっかりしてたら面白くないんじゃないかな?」

「そうだよね…夏休み中に退院するとは思えないし…」

「う~ん…夏休みもみんなで中々集まれそうにないね…」

「そうだね…」

少し会話が途切れて、気まずい空気が流れた時、中川さんの携帯が鳴った。

「あ、ちょっと待ってね?…もしもし?うん、一緒だよ?へ?違うよぉ!今カズキくん家だよ?だから違うって!良いから来なよ?うん。待ってるから!うん、は~い♪」

「矢部さんから?」

「うん、これから来るって♪」

「今日は勉強じゃないってちゃんと言った?」

「当たり前じゃん♪今日も勉強だったら夏休みじゃないから?」

「そうだよね!これからは夏休みを楽しもっか♪」

「うん!もう半分は過ぎちゃってるけどね?」

「楽しみは後に取っておいた方が良くない?」

「言うね~?なら毎日遊んであげよっか?」

「うん、いいねぇ♪」

「へ?」

中川さんはビックリした顔をしている。

「ん?多分みんな夏休み中は遊べないだろうしさ?」

「いや、それは聞いたけど…トレーニングしなくても良いの?」

あ、そゆ事ね…

「夏休みは…いんじゃん?たまにはさ♪」

それを聞いて中川さんは喜んで頷いていた。
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