気合いの華
「話し終わったんだ…」

「うん♪毎回ごめんね?」

「矢部、ちょっと来いよ?」

「へ?何?」

ルイは窓の方を向いてから振り返り様にタバコの煙りを吹きかけた。

「ちょっ!本当最悪!有り得ないんだけど?」

「ハッハッハッはぁ!?」

その時、ルイのアバラに矢部さんはチョップを入れていた。

「っ!何しやがる!?」

「バーカ♪もっと殴ろうか?」

「おい!マジで…いて!いてぇから!おいカズキ?」

「矢部さん、確か折れてる所はもう少し上だよ?」

「っておい!カズキぃ?…ってぇ!マジで!何とかしろよコイツ?」

「あはは♪」

俺はその2人のじゃれあいを見ながら笑っていたら、隣で中川さんの視線に気付く。

「ん?どしたの?」

「身体…大丈夫なの?」

「ん?まぁその内治るよ♪」

「無理しないで入院したら?」

「いや…俺は…いいや。」

「なんで?」

なんでって…

「そりゃ…楽しみにしてたしさ?」

「本当に大丈夫?」

「うん、大丈夫だから?一応ギプスついてるから当たっても平気だよ?」

「おい!矢部!!お前には人を思いやる気持ちがねぇのか?」

「なに?いきなりくっさい煙り吐く方がどうかしてんじゃない?」

「あの2人見ろよ?俺だって折れてんのに、お前はチョップだと?」

「私はそんなに優しくないも~ん♪」

「良いから手ぇ辞めろ!いやマジで!」

「…あの2人、凄いね?」

ルイはベッドに寝ながら必死でアバラを庇って、矢部さんはそれを面白がって叩いていた。

見てて…汗かきそう。
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