気合いの華
「やっぱり今日は帰ろう?」

そうなるよな…

「1つだけ…乗りたいんだけど?」

「うん…何乗りたい?」

「観覧車。」

「う~ん…わかった!乗ろう♪」

「ありがと♪」

俺は観覧車で、ゆっくり話したい事があったのだ。

2人で観覧車へと向かい、もちろん誰も並んで居ないからすんなりと乗り込んだ。

「なんか…ちょっと緊張するね?」

中川さんはそう言ったが、それもそうだ。
狭い密室内でお互いに向き合って居るのだから。

「そうだね!」

俺はそう言いながら視線を逸らした。

これは想像以上に緊張するなぁ…

「…」
「…」

こうやって沈黙が1番緊張するよ…

「こ、この後どうしよっか?」

言葉を考えていたら、中川さんから先に話しを振ってきた。

「取り敢えず、地元に帰ろう?」

「うん…」

「本当今日はごめんね?折角2人で遊んでるのに…」

「大丈夫だよ?ほら!良い眺めじゃん♪」

そう言って窓の外を指差す。

そこには、家を見下ろす感覚や、川があったり木が生い茂っていたり、様々な物を1度に見渡せた。

「あ…」

「どしたの?」

「いや、なんでもないからっ!!」

「ふ~ん。」

俺は中川さんがさっき見ていた方を見てみた。

「あ!!」

俺も見てしまった。

上からでも見える…

ヤンキーがたまって乱闘騒ぎを起こしているのだろう。
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