気合いの華
「へ!?」

俺は公園を突っ切ってコンビニに向かおうとしたが、異様な光景が眼に映る。

「お、おい!!」

そこに居たのは、江夏さんの取り巻きのいわゆる『江夏軍団』と3人の男子の姿だった…

「か、カズキくん?」

「へ?…」

「チッ!…」

江夏軍団がリンチをしていたのは、なんと田渕先輩とこの前一緒に居た2人だった。

「田渕先輩!大丈夫っすか!?」

「ごめん…」

俺は田渕先輩を抱えながら周りを見渡して裕美さんと眼があった。
「裕美さん、なんでこんな事したんすか!?」

「いや…ちょっとね?」

「ちょっと何すか?話して下さい!」

裕美さんはビックリした顔をしてから俺に言う。

「コイツ、カズキの仲間なんだってね?」

「う、うん。」

「だからみんな入院したんだって?って聞いたら、場所はどこなのか知りたがってたから、おかしいと思ったんだよ。」

「いや、でも本当に仲間だよ?」

「そうかも知れないけどさ?理由聞いたら、入院してる川畑を倒すって言うからさ?その前に動けなくしといたんだけど…」

そう言って倒れ田渕先輩の顔を睨み付ける。

「あれ…そいえば、江夏さんは居ないの?」

「…夏休み入ってから、姿見せないんだよ?」

「へ?そうなの?」

「まぁ電話では話したんだけどね?何か忙しいらしくてさ…」

忙しい?
< 318 / 332 >

この作品をシェア

pagetop