気合いの華
「ルイ?」

片岡先輩が灰皿にタバコを捨てて、ルイの方に近付けた。

「俺まだ火ぃつけたばっかなんだけど…」

「気にしなくて良かったんすけど…あいつ気ぃ強いからガーガーうるさいんすよ?」

桜木先輩は申し訳なさそうに片岡先輩に謝った。

「いいっていいって、それよか桜木って妹いたんだ?」

桜木先輩って落ち着いてる印象があるけど、さっきの妹さんはオーラあったなぁ…

ルイがタバコを消すのを拒んで1人わざとらしく吸っていた。

「あぁ、あいつ今中1っすよ?」

「ゴホッ!!ケホッケホッ…」

ルイがむせて咳き込んだ。

「ちゅ、中1?」

ルイが驚きながらむせている。

いや、だって制服来てたんだから、桜木先輩の妹って言ったら中1になるでしょ?

「にしても似てたなぁ!」

「あぁ、もっかい見てぇな?」

「ちょっ!片岡先輩、冗談きついっすよ?」

確かに似てたなぁ。
背の小さい所とか顔立ちとか…

俺が冗談で

「桜木先輩が女装すればそっくりなんじゃないすか?」

それを聞いて桜木先輩が、
「へ?お、俺服借りて来た方がいい?」

それを聞いてみんな爆笑した。

「やめろ、お前の女装見たら絶対笑っちゃう!」

結局みんなに「やめろ」と言われて女装はしなかったが、楽しく過ごして時刻は8時になっていた。
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