夜明け前
「ふ、そうかそうか。よかったよ、仲良く出来そうだな?」
穏やかに笑いながら、そう言った啓太先生。
…出来る、かなぁ。出来たらいいなぁ。
と、考えていたその時。
「出来る出来る!」
「出来るに決まってるよー!」
「ん。当然」
「これからよろしく」
「よろしくぅ!」
「なんて呼ぼうか?」
「あ、席は?」
「ノート見せたげるねー」
「後でアドレス交換しよ」
そんな光景に、
「「………」」
私もさくも、びっくりして固まってしまった。
優しくて、暖かい。
こんなことって、あるんだ。
いつまでも目をパチクリさせている私とさくを見て、啓太先生も笑う。
「おい、皆、二人が固まってる」
…あ、本当だ。いきなりすぎた?テンションあがっちゃったから。大丈夫かなぁ。と、優しい呟きが聞こえてきて。
もっと嬉しくなる。
「…えっと、とにかく!これからよろしく!」
そう最初に言ったのは、可愛い可愛いクリクリくん。
「うん、よろしく」
さくも笑う。
「よろしく…ね」
私も笑う。
「「「「「「「よろしく」」」」」」」
皆が、笑う。