夜明け前
不信感は腹立たしさに変わって、それに加えてこれからどうなるんだろうという不安。
そんなストレスが気づかないうちに少しずつ積み重なっていて、私もさくも行き場の無い感情を爆発させてしまうことになる。
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最近では寝に帰るだけになっていた小さなアパート。
落ち着いてくつろぐこともなかったから、こうして一段落して見渡してみればどこか寂しい空気が漂っているように思う。
―やっぱり、さくを待ってればよかった。
学校から帰って、この空間で一人きりになるのはまだまだつらい。
この小さな空間には、母様が色濃く残っている。
どうしようもなくつらくなって、部屋の隅にうずくまる。
膝に顔を埋めて、ぎゅっと自分を抱きしめる。
―さく、さく、早く帰って来て。
私には今、さくしかいないの。