わたるんといっしょ


「死神は、生きた人間に関わらないはずでは?」


ならば殺すことも出来ないだろうと言う渉自身が、“この人には通用しない”と知っていた。


「内緒にすればいいのよー。天に目があるわけじゃない、地に耳がついているわけでもない。アテクシが黙れば、だあれも、アテクシのルール違反を咎めることはないのよぅ、カカカ」


「そうして、死人に口なしですか」


「死んでも口聞けないように、魂をあむあむしてあげちゃう。――この鋏はねぇ、肉体を傷つけずに、魂だけを切るの。

肉体と魂を繋げるへその緒みたいなものを。だからあなたの体はそのまんまでも、ビンビンにはならないよねぇ。分かりますカー?いやいや、分からないカァ。ディープな世界だからね、こっちは」


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