わたるんといっしょ
うふふー、と微笑むテレサの顔が想像できる紙には、『本当にこれでいいのか』と思いたくなる。
「でも、やらなければ……」
あの子との約束を反故してしまうと、殊勝なわたるんは、実際に魔方陣を書いてみた。
書いたと言っても、棒で地面に溝を掘った程度。雨風吹けばすぐになくなってしまうような絵図には、『これでいいのだろうか』と再三思う。
もっと言えば、自分は魔術類いとは無縁。都市伝説や民間伝承に触れたならば、カルト的事項も頭には入れてあるが。
「召喚術だなんて……」
ゲームの真似事だ。
MPない自身に、こんな大それたこと、出来るわけがないと思いきや。