わたるんといっしょ
会話文、『子供はいつまで経っても、子供』
「詰襟学生服、というのは、今や着る者自体が稀なのだな」
「唐突100%。――内訳、藪から50%。棒50%」
「……お前のそれは、本当に適当なんだな。まあ、ともかくも、今は、制服と言えばブレザーが主流みたいじゃないか。最近になって気付いた」
「気づくのが遅いような。だが、五十鈴さんがそういった時代の流れに取り残されてしまうのは、致し方がないか」
「ああ。街を見下ろすと、ブレザー学生が目につくようになった。今まで意識していなかったが、渉と同じ年端の若者を見ればな。何かしらの感慨も湧くというもの。それでだ、いつも詰襟学生服な渉にブレザーなんかは、どうかと思った」