わたるんといっしょ


地獄との邂逅をセッティングされて、頭一つで脱獄してきたらしい。


「もう俺にはお前しかいねえぇっ!舎弟一号のお前なら、俺を信じてくれるよなっ」


「……」


「目ぇ、逸らすんじゃねえぇぇ!」


ヒャッハーが悪いことをしたには違いない。――ので。


「もしもし、冬月くん。実は脱獄した溝出さんが」


「もう俺、一匹狼になるうぅぅっ!」


わたるんにまで見放された溝出だった。


< 59 / 454 >

この作品をシェア

pagetop