宇宙人とストーカーと私
♂第一章♀
始まりはいつも突然に、っていうか始まらなくてよかったのに。
突然だけど、私は普通の人だ。
よく小説では無自覚の美少女とか、秘めたる力を持ってるのにそれに気付いていない“自称平凡”みたいな人が出てくるけど、私はそういうのの類ではない。
どこにでもいる可もなく不可もない、特筆する点の“ほぼ”ない普通の女子高生。
試しに私という人間について同級生に聞いてみればいい。
「田中さん?あー、普通にいい人じゃない?」
「田中ちゃんは普通に可愛いよねー」
「可愛いって言うか普通だろ」
「あぁ、あの子?なんか成績も普通な感じだよ」
「まぁとりあえず、普通?」
十中八九、みな口をそろえて『普通だ』と答えるだろう。
それくらいに普通なのだ、私は。
……ある一点を除けば。