【完】となりの俺様幼なじみ
「有川君なんかほっといてさ、これ作ろうよ。」
そういって出されたのは1冊のレシピ本。
「本当は、お弁当とか作りたかったんだけど、たぶん部活の後援会から出ると思うだよね。」
確かに、あたしがサッカーしてた時もお母さんたちが一括で頼んどいてくれてた。
「それで陽菜はどれを作りたいの?」
目の前のレシピにはたくさんの付箋が貼ってあって、研究してきたんだなっていうのが一目でわかった。
「いろいろ考えたんだけど、一晩寝かせて美味しいのがいいと思うんだよね。」
一晩寝かせるとなると、パウンドケーキとかが定番だけど……
「これなんてどう?」
あたしは付箋の張ってあったページの一つを指さした。