文目剣術部【参】

「おい皆聞いたか?親のだから駄目だってさ…ならもういいや」

「もういいや?」

手を離した相手は冷たい表情で俺に言ったんだ

「金くれないならもうお前いらねぇや…じゃあね薊お坊ちゃん」

グループの皆は口々に「あいつマジ最悪」だの文句を言いながらぞろぞろと帰って行った

「何でいっつもこうなっちまうんだよ?!金持ちだからって何なんだよ?!俺は…俺は…」

どんなに立ち直ろうとしても失敗ばかり

苦しい声や聞いてもらいたい苦痛は全て届かない叫びで終わり

俺は声を殺して頭を抱えた

< 102 / 212 >

この作品をシェア

pagetop