文目剣術部【参】

その後あの夏の事故が起こった

私は慌てて香賀さんが入院している病院へ向かった

香賀さんの入院している305号室に向かう階段で私は足を止めた

私がいる階段から見える305号室の扉の前に詠さんが立っていたからだった

詠さんはしばらく入ろうか入らないかでずっと扉のあたりで迷っていたが看護婦さんが来たため慌てて詠さんは帰って行ってしまった

私は詠さんが行ったのを確認してから病室に入った

「…文目!?」

「別れたばかりで会いに来るなんて最低な事だと分かっています…あの、怪我の方は?」

「ん?怪我?あぁ大丈夫だよ!」

< 132 / 212 >

この作品をシェア

pagetop