桜並木の下で 下 ~十月から三月~



「なんで…!?せっかくのチャンスなのに!?」



「…嫌だったんだ。お前と離れるのが。お前に、本音言わずに離れるのが嫌だったから」




 …これ、夢かな。翼がこんなこと言うなんて、ありえない。





「今日はエイプリル・フールじゃないのよ?」



「知ってる。つか、これが本音」



 私は、翼を見上げた。




「俺は、恋愛無関心なんかじゃねぇんだ…お前のことが好きだってことを隠してただけなんだ」





 …!?




 今、なんて…?




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