桜並木の下で 下 ~十月から三月~




「奈美、話って?」



「鍵、返して?」



 私は右手を出した。



「え?」



「手紙、読んだのよね?」



「おう」


「書いてあったでしょ?盗んだもの返せ、って」




 私が言うと。




「これじゃないの?」



 翼が出したのは、私の時計。



「ないと思ったら、アンタの仕業!?」





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