桜並木の下で 下 ~十月から三月~




 京SIDE




 誰にでも、泣きたい日くらいはあると思うんだ。




 けど、俺は男の涙だけは見たくなかった。



 暑苦しいから。



 だが、今、俺の目の前にいる男は、泣いている。




 泣き虫な奴ではない筈だ。




 むしろ、強がり。



 こいつとは腐れ縁だから、こいつのことは知っているつもり。




< 77 / 115 >

この作品をシェア

pagetop