黄昏バラッド
「……え?」
おもわず拍子抜けの声がでた。
「え?じゃないよ。普通お泊まり会ってトランプするんじゃないの?」
お、お泊まり会?なにそれ。また私をからかってるんだろうか……。
「あーでもノラは若いからトランプとかしないか。けっこう楽しいんだけどな」
この人は本気で言ってるのかな?それとも私を油断させる一種の方法とか?
いつの間にか私のうるさい鼓動は消えていてサクの理解不能の言動に困惑していた。
「とりあえず髪乾かそうか。ノラの髪すごい濡れてるし」
サクはそういってドライヤーのコンセントを差しこんだ。
話が二転三転するサクに私はどう対応したらいいのか分からない。……一体なにを考えてるんだろ。
サクをチラッと見ると、濡れた髪の隙間からまた泣きぼくろが見えた。
「おいで。乾かしてあげる」
サクはドライヤーのスイッチを入れて私を手招きする。
これも作戦?サクって本当によく分からない。