黄昏バラッド
「電気消すよー?」
暫くしてサクが部屋の電気を消した。
私はいつものようにサクのベッドに横になり、暗くなった天井を見つめる。
最初は真っ暗だけど目が慣れてくると、ぼんやりと周りが把握できるようになった。
サクにとって音楽ってなに?
プロになるって夢はまだ心の中にある?
トワイライトとしてまたバンドを組む気はないの?
たくさん、たくさん聞きたいのに、やっぱりどうしても聞きづらい。
でも私はサクのことを理解したいから、サクにも私を理解して欲しい。
怖いけど、すごく怖いけど、サクのことだけは信じてるから大丈夫。
「……ねえ、サク」
私は問いかけながらギュッと布団を握った。
「んー?なに?」
サクが寝返りをして私のほうを見てるのが分かる。
決めたはずなのに、自分の鼓動がうるさい。サクに聞こえてなければいいけど。
「……ノラ?どうしたの?」
サクは布団から起き上がり寝ている私を覗き込もうとしたけど、それを制止した。
「待って、そのまま寝てていいから。ちょっと待って」
私の不自然な言動にサクは気づいていたけど、
そのままゆっくりと布団に戻っていった。