黄昏バラッド


私が付きまとっていた?先生が結婚?

嘘だと思いながら隣の先生の顔を見た。


その瞬間、あ、本当なんだって分かった。


私は初めから先生を守るつもりでここに来て、
私だけが処分されればいいって思ってた。

そんなことを言わなくても、私は先生を責めることは言わないし、先生を本気で守ろうって思ってた。


なのに、なんで私はこんなに傷ついてるんだろう。

自分の思ってた結果になったのに、どうしてこんなに苦しいんだろうか。

だって先生の顔を見た瞬間分かったよ。


私っていう存在は先生にとってそんなものだったんだって。私たちの関係ってこんなものだったんだって気づいちゃったよ。

私はそのあと、なんの言いわけもせずに校長室を出た。


もうどうでも良かった。

今さら先生の話は事実じゃないって言ってどうなるの?


先生が好きだって言ってくれた。

先生が結婚しようって言ってくれた。

私たちは付き合ってた。

なんて、そんな事実を言ったところで、きっと今以上に惨めになるだけ。

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