黄昏バラッド
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次の日の朝、私とサクは同じ時間に家を出た。
サクの表情はいつもと変わらなかったけど私は内心緊張している。だって今日の夕方サクがサンセットに来る。
昨日電話でそのことを鉄さんに言っていたから、きっと尚さんも来るだろう。
「麻耶ちゃんおはよう」
サンセットに着くと珍しく鉄さんが早めに出勤していた。
店内もいつもどおりで今日も通常営業だ。
やっぱりサクや鉄さんは大人だから緊張したりしないのかなと思ったけど、私はあることに気付づいた。
「……鉄さんそのマグカップいつまで磨くつもりですか?」
鉄さんはもう乾いてるマグカップを何回もタオルで拭いていた。おかげでマグカップ新品以上にピカピカだ。
「え……あれ?」
「はは、心配しなくてもサクはちゃんと来ますよ」
思わず笑ってしまった私は一気に緊張がとけた。
大人だって緊張ぐらいするよね。きっとサクも見せないだけでしてると思う。
もう私にできることはなにもないけど、せめて笑顔でサクが来るのを待っていたい。