黄昏バラッド
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時間は刻々と進み、店内に夕暮れの光が差し込んできた。サンセットの昼営業は終わって店には私と鉄さんと尚さんしかいない。
「鉄、今日のライブハウスは営業するのか?」
喫煙許可が出た尚さんは早速タバコを吸い始めた。
「いや、今日は休業日にしたよ。人が大勢いたらできる話もできねーだろ」
鉄さんはその言葉どおりサンセットのドアに【close】の札をかけた。
「……私、邪魔じゃないですか?」
今さらこんなことを聞いてみた。だって当たり前みたいにいるけど関係ないと言われればそれまでだし。
「邪魔じゃないよ。むしろいてくれたほうが俺的には助かる」
「は?お前影薄いからいても空気みたいなもんだろ」
鉄さんと尚さんのアメとムチ。私はそれに甘えて、この場にいさせてもらうことにした。
サクは一体どんな顔でサンセットにやって来るんだろう?
いや、きっとその時はもうサクじゃなくて咲嶋亮になってるね。
――とその時、チリンと鈴の音が静かに響いた。
そしてゆっくりとサンセットのドアが開く。