黄昏バラッド
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それから数日が経ち、私は今日もサンセットにいた。
積み重なるお皿を無言で洗って、スポンジに付いた泡がどんどん流れていく。
……キュッ。
すると突然、蛇口がひねられて水が止まった。
「ぼーっとしてどうしたの?」
心配そうに顔を覗きこんできたのは鉄さん。
「なにか考えごと?それとも悩みごと?」
なにを考えて、なにを悩んでいるのか自分でも分からない。だけど確実になかを考えている。今まで避け続けていたことを。
「沈んでるみたいだから良いこと教えようか?」
「……良いことですか?」
私が聞き直すと、鉄さんは上機嫌に言った。
「尚が所属してる事務所の社長がどうしても俺たちの音楽を聞きたいって言ってくれてさ」
尚さんの事務所の社長って、前にトワイライトの復活を要望してきた人だよね?
「尚のヤツが早速トワイライトのことを話したらしくて。まだ色々早いっていうのに」
憎まれ口を叩いているけど、鉄さんの夢が着々と近づいてる証拠。
きっとトワイライトは止まっていた時間を取り戻すようにどんどん前に進んで行くんだろうね。