黄昏バラッド
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そして電車に揺れること1時間。私は二年ぶりに新かさいの駅に足を踏み入れた。
街の風景はなにひとつ変わってなくて、なんだか懐かしい。
人が多くてみんな急ぎ足の大都会。私は渡された地図を頼りに目的の店へと急いだ。
「はい。これですね。わざわざ大変だったでしょ?」
事前に電話で事情を話しておいたおかげで、私はすんなり洋服を受けとることができた。
「いえ、こちらこそお手数おかけしてすいませんでした」
私は袋に入れてもらった洋服を大切に預かり、店を後にした。
先輩からは2時間以内で戻ってくるように言われたけど、余裕で1時間も余ってしまった。
お得意さまが洋服を取りにくるのは夜だけど、普通はこのまま帰るのが一番。だけど少しだけ私には行ってみたい場所がある。
私は時計を気にしながら、その場所へと足を早めた。
その場所とは中央公園。
サクとの思い出が色濃く残るあの公園だ。