黄昏バラッド
「私も色々と変わったんだよ?見た目に変化はないけど。……サクはあれからなにか変わった?」
「どうかな。俺が変わったんじゃなくて周りの環境のほうが変わったよ」
「……そっか」
久しぶりに会えたのに、どうして上手く言えないんだろう。こんな自分がもどかしい。
「……えーと、音楽も毎日聞いてるし、トワイライトがテレビに出たら録画もしてるだ」
「………」
「そ、それからね、友達にもCD配ったりして、いつも応援してるっていうか……」
「………」
平常心が空回りしている私に対してサクはずっと無言だった。それが怖くてサクの顔を見ることができない。
「あ、あとはえーと……サクあのね」
――ふわっ……。
突然風が吹いて、サクの黒髪が私の頬に当たった。
サクが強く、強く私を抱き締める。
それは痛いぐらい。
サクの匂い、サクの体温。その瞬間、我慢していた涙が一気に溢れ出した。
「……サク、サク……っ」
何回も名前を呼んでサクの体をギュッとした。