黄昏バラッド


この二年間、サクを思い出さない日はなかった。

もし会えたら、なんてことを考えて話す練習もした。それなのに今は上手く喋れない。

伝えたいことは沢山あるけど、私の心の中心にあったのはいつもこの言葉だった。


「サク好きだよ。大好きだよ」

離れていた間も消えることなんてなかった。


サクの歌を耳にするたびに、恋しくて、恋しくて恋しくて。

ずっと私はサクに恋をしていた。


「サク、会いたかったよ」

私はサクを抱き締めて、ずっと言いたかった言葉を口にした。すると、サクの体がゆっくりと私から離れて目と目が合った。


「俺もずっと会いたかった」

その言葉で私は再び泣いてしまい、まだまだ子どもだったみたい。サクはそんな私の涙を拭いて、その優しい手が頬に触れた。


「ノラがいなくなってから何回もこの公園に来た。会えないかな、会いたいなって」

「………」

「周りはどんどん変わっていくけど俺は変われなかった。ノラに対しての想いだけはいつも強く胸にあったよ」

「……サク」

「俺もノラが好き。大好きだよ」
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