黄昏バラッド
Episode:2 スタート
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「いい加減その疑いの目は止めてよ」
サクと私は朝ごはんを食べ終わった後、大型スーパーへと行った。そこで生活に必要なものと、着回しができる衣類を数着買った。
もちろん、全部サクのお金。
「これは疑いじゃなくて、悪いなって思ってる目」
泊まらせてもらってるだけでも気が引けるのにサクは「これとこれも必要でしょ?」と日用品も次々とカゴの中へ。
「お金は後でちゃんと返すから」
買ってもらった分とか、生活費とか。
今はなにもないからムリだけど、貯金を下ろすことができればすぐに返せる。
「期待しないで待ってる」
サクは笑って、また私を子供扱いした。
本当に荷物はひとつも持ってこなかったけど、通帳とか印鑑とか大事なものは持ってくるべきだったかも……なんて今さら後悔しても遅いけど。
そのあと私たちはお互いにひとつずつ袋を持ちながら、店内をぶらぶらしていた。平日で午前中だと人が少なくて買い物がしやすい。
まぁ、私の格好が制服だからたまにチラチラ見られるけど。
「あ、見て見て!ノラがいるよ」
「は?」
サクは店内のガチャポンコーナーの前で止まった。
そこには〝寝ん猫゛と書かれたガチャポンが。
「ねんねこ……?」