意地悪なアイツ【完】
~龍 side~
次の日、俺達3人は愛美の家に行った。
ピーンポーン
チャイムを押すと
30秒もたたないうちに出てくる。
「おはよう」
大きな声で挨拶する愛美は
昨日とは別人のようだった。
『「おはよう」』
『お前、起きてたんだな(笑)』
「起きてるに決まってんじゃん!!!
迷惑かけらんないし」
口を尖らせながら笑う。
『ほらっ遅刻すっから行くぞ』
「はぁーい
お母さーんいってきまーす!」
そう言って愛美は家を出た。
気持ち良いそよ風が吹く。
その風に当たりながら
俺の真横を歩いている愛美を見た。
いつもだったらトクンッと鳴る
鼓動がならない。
きっと
首にある生々しい青あざを見てしまったからだろう……