意地悪なアイツ【完】
~唯 side~
始業式。
私は愛美を迎えに
いつもとは違う通学路を通っていた。
『あっまなみーおはよ!』
「ゆい~久しぶり~」
久々に会う愛美は
すっかり元気になっていた。
カウンセリングや病院に通い続け、
心も体も少しずつであるが元に戻りつつあるらしい
『会わないうちにこんなに
元気になっちゃってー』
「そうでしょー♪
私なりに頑張ったんだよ」
そんな会話をしながら私たちは学校についた。
教室に入ると、
走り回る男子に
冬休みのことを騒ぐように話す女子。
これから始まる三学期も何も変わらない…
そう思っていたのは
私と愛美だけだったのかも
「あっそう言えば唯に
言い忘れてた事があったんだ!」
愛美は手を口に当てながら叫ぶように言う。
『なになに!?』
話が気になる私に、愛美は私の耳に手を当てて言った。