意地悪なアイツ【完】



誰かがこの黒板を見て電話してきたんだ


私だけならともかく愛美の事も書くなんて…

絶対にゆるせない



泣きそうになるのを堪え
黒板消しを持ち書かれてあったものを消した。

虚しくも、キュッキュッと音が鳴る…


その時、健人が私の横に来て一緒に消してくれた。


『ごめんね…ありがとう』

「うん…てか、こんな事気にすんなよ」


そう言葉をかけてくれた事が嬉しくて、
堪えていた涙が落ちた。

健人は私の頭を撫でて、そっと抱き寄せる。


「キャーーーーー」

回りで騒いでいる野次馬の視線が痛い。

でも、健人の甘い甘い香りが私を包み込んでくれて私の心を穏やかにしてくれる…


もういっそのこと、
このまま時間が止まってしまえば良いのに…



そんな事を思っていると

「ちっ」

後ろから舌打ちが聞こえた。


「まじなんなの」

「健人が守ってくれるからって
調子にのんなよ」


また聞こえる罵声


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