意地悪なアイツ【完】
振り返ると、腕をくんだ可奈を中心に数名の女子がいた。
だんだん可奈が私に近づいてくる
自然と後退りする私の脚
「何イチャイチャしちゃってんの?
まじ見ててムカつくんですけど
ブス…」
バチン
左の頬がジンジンと痛む
そっと触ると少し熱くなってた
すると回りにいた女子はそれを煽るように
「派手にやってくれるねー」
「可奈ナイスー!!」
「もっかいしてよー」
「アンコール、アンコール」
一人がアンコールをしだしたかと思ったら
私と可奈を囲んで見ていた回りの人も言い出した。
それに乗った可奈は
もう一度右手を振り上げる
またヤられる…
私は、ギュッと目を瞑った。
…。
……。
んっ?
目を瞑ったものの一向に手が私の頬に当たらない。
おかしいと思い目を開けると
健人が可奈の右腕を掴んでいた。
「なにすんのよ、離して!!」
「離すわけないだろ」
必死で抵抗する可奈に
健人は冷たく言い放った。