意地悪なアイツ【完】
「お前ちょっとこい」
健人はそう言うと、
可奈と教室を出ていってしまった。
1時間目が終わっても
2時間目が終わっても
昼休みが終わっても
放課後になっても
二人が帰って来ることはなかった。
どうしてだろう…
私は携帯を手に取り、メールを打つ
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To 健人
どこにいるの?
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そんな一文を送っても
返事が返ってくることはなかった。
私はただただ不安で、
健人から返事が返ってくるのを待つしかなかった。
空はすっかり暗くなり、
チラチラと星が輝いている。
『はぁ~』
私が大きなため息をついた時、
ピロリロリンッ
電話だ。
携帯の画面をみると、健人の文字が…
私はウキウキしながらも慌てて通話ボタンを押した。