意地悪なアイツ【完】
すると目の前にいた可奈が私から離れていった。
目で追う…
「おっはよ~」
今さっきとは別人のような笑顔を見せ、
健人に腕を絡ませる可奈。
「離せよっ」
なんて健人は言っているけど
満更ではない様子。
…。
やっぱり二人って
本当に付き合っているんだ…
なんだ、そうだったんだ
やっぱりそうだよね
イジメられてる私なんか…
健人は私が嫌いになったんだね
少しは期待していたんだけど…
健人の心のどこかで
まだ私がいるって思っていたのに…
でも、そんな淡い期待も
簡単に打ち砕かれてしまった。
その日は一日中、
地獄に突き落とされたような気分だった。