意地悪なアイツ【完】



下を向いて廊下を歩いていると、
誰かにぶつかってしまった。


『あっすいません…』

「あれ? 唯?」

私の名前が呼ばれ、顔を上げる…


そこには朝練を終えたばかりの
山田が立っていた。


「おはよう」

ニッコリと微笑む山田に私も笑顔で返した。



「てか、お前なにしてんだよ
もうすぐHR始まるぞ(笑) 」

そんな問いかけに、
可奈達から逃げてきたとは言えなくて…


『あートイレでも行こうかなって…』

「あー、早く戻ってこいよ。
チャイムなったら遅刻扱いだからな」



山田はガハハと笑いながら、
私に背を向けて教室に行った。


そんな事知ってるよ…

そう心の中で呟く



私はトイレに行って速攻個室の中に入った。


大きく深呼吸…

って言っても嫌な臭いが鼻につく…



『よしっ』

気合いを入れ直した私は
ドアを開けようとカギを開ける


んっ? あれ?


ガチャガチャ…

ガチャガチャガチャ…


どんなに扉を押しても開かない…

どうして開かないの!?


< 194 / 389 >

この作品をシェア

pagetop