意地悪なアイツ【完】
下を向いて廊下を歩いていると、
誰かにぶつかってしまった。
『あっすいません…』
「あれ? 唯?」
私の名前が呼ばれ、顔を上げる…
そこには朝練を終えたばかりの
山田が立っていた。
「おはよう」
ニッコリと微笑む山田に私も笑顔で返した。
「てか、お前なにしてんだよ
もうすぐHR始まるぞ(笑) 」
そんな問いかけに、
可奈達から逃げてきたとは言えなくて…
『あートイレでも行こうかなって…』
「あー、早く戻ってこいよ。
チャイムなったら遅刻扱いだからな」
山田はガハハと笑いながら、
私に背を向けて教室に行った。
そんな事知ってるよ…
そう心の中で呟く
私はトイレに行って速攻個室の中に入った。
大きく深呼吸…
って言っても嫌な臭いが鼻につく…
『よしっ』
気合いを入れ直した私は
ドアを開けようとカギを開ける
んっ? あれ?
ガチャガチャ…
ガチャガチャガチャ…
どんなに扉を押しても開かない…
どうして開かないの!?