意地悪なアイツ【完】
ドンドンドンッ
私はドアを強く叩いた…
何度も…何度も…
『誰かぁ!! 誰か開けてー!!』
そう叫んだとき、
微かに誰かが笑っている声が聞こえた。
「ゆいちゃーん」
大きな声で私の名前を呼んだのは…
きっと…可奈。
「私たちを恨まないでね
あんたが悪いんだから…」
クスクスクス
笑い声が聞こえた瞬間、
私の鞄と冷たいものが上から落ちてきた。
全身が硬直する。
「じゃーね、アハハッ」
「ばいばーい」
「「アハハハっ」」
可奈の甲高い笑い声と
クスクスと笑う女の子達の声が聞こえた。
悔しくて…悲しくて…辛くて…
『どうして…
どうしてこんな事っ!!!』
そう叫んでも、
壁に当たって返ってくるだけで誰も答えてくれやしない。
私は虚しくなってその場にしゃがみこんだ。