意地悪なアイツ【完】
力強く言うと可奈はスカートの裾を
ギュッと握りしめ俯いた。
「ごめんなさい」
『謝る相手が違うだろ…』
「うん、ちゃんと唯にも謝る…」
俺たちは一言も言葉を交わすことなく学校に向かい、教室で唯が来るのを待った。
唯はHRが始まる5分前に教室についた。
はぁはぁと息を整えながら
可奈を避けるように
わざわざ遠回りをして自分の席についた。
俺と可奈の目が合う…
決心したように可奈が頷き席を立った。
『唯おはよう!』
「おっおはよう」
俺は唯の肩を持ち満面の笑みで挨拶をする
唯は少し戸惑いながらも
小さな声で挨拶を返してくれた。
久々に交わした挨拶が
なんだか初々しくて照れくさい
『今日、
可奈から唯に話しがあるらしいんだ
俺も交えて話し合いをするから
ちょっと来てくれないか?』
「うっうん…」
俺たち三人は教室を出て誰もいない屋上へと向かった。