意地悪なアイツ【完】
『クククッ』
その光景がちょっぴり面白かった俺は
笑ってしまった。
それにしても朝から何の騒ぎだよ…。
そう思っていると女の大群の隙間から
絶対に来るとは思っていなかった相手が見えた。
『健人っ!?』
俺は呼んだつもりなのに、
声が大きすぎたせいかクラスのみんなが
振り返った。
「よっ龍、昨日ぶりだな」
クールに言う健人に
キャーと回りの女子が叫び出す。
いま健人は何を思っているんだろう…