意地悪なアイツ【完】
『何でいるんだよ!』
「はっ?
俺が学校来ちゃいけない訳?」
うっ…確かに…
『そっそうだけど
1ヶ月以上来てなかったからさ』
「まぁなー
なんか昨日龍に会ったら
久々に学校の皆に会いたくなってさ」
健人を取り囲んでいる女子たちが
またキャーと騒ぐ。
鼓膜が破れそうなほどの
声の大きさに思わず耳を塞ぎたくなる…
その時、
「さっきから
キャーキャーうるさいんだけど!!!
宿題に集中できないからどっかに行って!!!」
そう怒鳴ったのは怒りに満ちた唯。
唯が怒ることは滅多になく、
こんなに怒る姿を俺は始めて見た。
唖然とする女子に勝ち誇った顔を見せる。
「お前がどっか行けよ」
健人の低く冷めた声が
この教室の空気を一変させた。