意地悪なアイツ【完】
「もぉ先生の雑用ちょーキツかった!!」
そう言って教室のうしろのドアから
入ってきたのは唯
「なぁ、愛美ー
今日は久しぶりに二人で帰ろっか」
「いいよー」
気をきかせてくれたのか龍と愛美は
教室から出ていった。
この教室には俺と唯だけの二人。
唯はまだ怒っていて
俺の右隣にある自分の席にドカッと座り、
帰る準備をしだした。
『ゆい…』
そう呼びかけても返事はなく
こちらを振り向きもしない。
『ゆいっ?』
「なによっ!!!!!」
もう一度呼び掛けると
スクールバックに入れようとしていた
筆箱を机にバンッと叩きつけた。
『朝は…本当にごめん…
あんな事するつもりじゃなかったんだ』
「はぁ?」
『嬉しかったんだ。
でも照れくさくって…
サプライズ、ありがとな』
俺は机のなかに入れていた
ドクロとハートを取り出す。