意地悪なアイツ【完】



「もぉ先生の雑用ちょーキツかった!!」

そう言って教室のうしろのドアから
入ってきたのは唯


「なぁ、愛美ー
今日は久しぶりに二人で帰ろっか」

「いいよー」


気をきかせてくれたのか龍と愛美は
教室から出ていった。


この教室には俺と唯だけの二人。


唯はまだ怒っていて

俺の右隣にある自分の席にドカッと座り、
帰る準備をしだした。


『ゆい…』


そう呼びかけても返事はなく
こちらを振り向きもしない。


『ゆいっ?』

「なによっ!!!!!」


もう一度呼び掛けると
スクールバックに入れようとしていた

筆箱を机にバンッと叩きつけた。


『朝は…本当にごめん…
あんな事するつもりじゃなかったんだ』


「はぁ?」


『嬉しかったんだ。
でも照れくさくって…

サプライズ、ありがとな』


俺は机のなかに入れていた
ドクロとハートを取り出す。


< 308 / 389 >

この作品をシェア

pagetop